チャリで巡る波照間島
民間人が行ける最南端、波照間(はてるま)島。
波照間空港自体はあるものの定期便が就航しておらず、移動手段はフェリーのみです。
石垣島を経由する必要がある2次離島となっています。
目次
石垣→波照間
石垣→波照間は石垣から出る他の島への航路と比べて恐ろしく揺れると言われています。
石垣港離島ターミナルの安栄観光の窓口で乗船券を購入して出発です。
冬場の2月ということもあり、他航路は欠航が相次いでいました。
波照間航路も例外ではないのですが、双胴船「ぱいじま2」によって荒天でも就航率が高くなったとのことです。
とはいいつつも、揺れが収まるわけではなく……
過去には骨折事故があったため、揺れが大きい前方は立入禁止とのことです。
船は外洋に乗り出します。
窓は一面の曇り空と海面を交互に映すかのように揺れます。
酔わないコツは寝ることです。睡眠はすべてを解決します。
波照間島
1時間半ほど荒波に揉まれて波照間港へ到着です。
チャリをレンタル
周りの方々は電動自転車ないしバイクをレンタルしていました。
私は体力に自信があると思いこんでいたので、普通の自転車をレンタルしました。
自分の力で動いてる気分は心地よいのですが、高低差がかなりあるため電動をおすすめします……
製糖工場
民間の施設なので外からのみですが、ここでさとうきびが加工されています。
大自然の中、機械音がするのはどこか不思議な感じで、少女終末旅行感がありました。
沖縄の黒糖は島によって大きく味が違って、波照間の黒糖はビターな味わいです。
ニシ浜
道路から少し歩くと淡い水色の景色が広がっています。
誰が名付けたのかは不明ですが、通称ハテルマブルーです!
ニシ浜は製糖工場も近く、製糖工場の甘いようで甘くない香りも漂います。
さて、自転車を漕いで次の目的地に向かいます。
道中はさとうきび畑が広がります。
浜シタン群落
自転車を降りて木々を抜けてきます。
盆栽のような佇まいです。
反対側には綺麗な砂浜が広がります。
ムラピナの浜
少し自転車を漕いで進みます。
再び自転車を降りて草木の長いトンネルを抜けると……
サンゴ礁の砂浜でした。
一面サンゴです。
波の音に、ときよりヤドカリの貝が当たる音が流れる小さくて静かなところで、ここに住みたくなりました。
サンゴの持ち帰りは死サンゴでもアウトなのでそっと見守ります。
ペムチ浜
またしても幻想的な道を抜けていきます。
もはやおなじみのハテルマブルーですね。
こんな綺麗なところですが、遊泳禁止みたいです。
最南端
波照間といえば、民間人が行ける最南端ということでも有名です。
日本最南端平和の碑、カラス付きです。
こちらのほうが有名かもしれません。
最南端から見れる景色は当たり前ですが、水平線が広がります。
東側を見ると天文台が見えます。
最果ての天文台って絵になりますね。
折角なので#さな歩き写真も収めておきました。
近くに咲くイリオモテアザミはきれいな紫色です。
星空観測タワー
先程見えた天文台まで来ました。
老朽化により休館しています。
最南端の天文台、夢想のまちに出てくる天文台が思い起こされました。
そのくらい、不思議な趣がありました。
近くの電柱に記された「星空幹」。
波照間空港
天文台から道なりに進むと空港が見えてきます。
道中見えるアダンの実が南国を感じさせます。
とっても綺麗な空港ですが、現在定期便はありません。
波照間可倒式風力発電実証研究設備
空港を離れて道なりに進むと、不思議な設備が見えてきます。
羽2つで回る風力発電です。
少し歪な回り方で、失われた古代文明の産物感がありました。
台風の時は風力発電機を倒せる仕組みになっているみたいです。
2月とは思えない緑と青の道をチャリで駆け抜けます。
集落
島の中心部に集落があります。
島内にはいくつか商店もあります。
商店でアイスを買って食べました。
こんな美味しいアイスが離島でも100円ちょっとで、物流の凄さを痛感しながら食べました。
お昼は八重山そばをいただきました。
波照間島の水道は海水を淡水化して作られているらしく、ありがたく水分を摂取しました。
電話交換局です。
海底ケーブルは与那国方面からと西表方面からの2方向あるため、1つ切断されても維持できるみたいです。
最南の郵便局です。
マンホールも素敵です。
コート盛
琉球王朝時代から残る遺跡です。
ふたたび、ムラピナの浜
帰りの船まで時間が余ったので、サンゴでできた浜に戻って過ごしました。
島内にはヤギが至るところにいます。
自販機もあります。
自販機の価格が内地と大差ないという感動を味わいました。
波照間→石垣
乗り物は一度死なないことが分かると、楽しめるようになります。
人生2度目の飛行機に乗る感覚に近いです。
そんな面持ちで、石垣港へ向かうフェリーに乗船です。
揺れは楽しいなと……
そう思っていた時期がありました。
外洋に入ると船内は地獄絵図です。
大泣きする子ども達、うつむきながらトイレに駆け込む人、ビニール袋で口をふさぐ人……
楽しい楽しくないの次元ではなく、理性を保てるかそうでないかの戦いでした。
石垣市街が見えた頃には実家のような安心感すらあった程です。
おわり
民間人が行ける日本の東西南北の果てで唯一船が必要なのが最南端の波照間です。
与那国も稚内(宗谷岬)も根室(納沙布岬)も飛行機とバスで行けちゃいます。
そういった意味では波照間はアクセスが恐ろしく悪いのですが、荒波に揉まれていくからこそより一層、波照間が素敵に見えるのかなと思いました。